言葉は、いらない

10月に入り、東京はめっきり冷え込んだ朝。

いよいよ今年も終わりが見えてきました。

この数年、年末年始は必ずインドです。今年の元旦もインドにいまして。

某所にて、とってもウェルカムな雰囲気の入り口がありまして。おいでおいで〜という感じのその入り口にスーッと引き込まれるように、入りましたらば。

どこもかしこも人だらけなのに、そこにはひと気がなくて、しーんと静まり返って、ときどき誰かの声が低く響いていて。

ガバッと差し込む光がなんだかタダモノではなく、圧倒されました。

こういうとき、言葉は、いらない。ただただ、ありがたい。

途中、巡回にきた警官に「写真は撮っちゃダメだよー」と、ゆるい注意を受けました。

その後ふと、一緒にいた友人が「ねえねえ、ここちょっとすごいよね?」といい、ほとんど同時に、入るときには気づかなかった場所に「!外国人立入厳禁!」と書かれているのをようやく見つけまして。

「まずい、ズラカレ!」

と、ちょうどやってきた賑やかな巡礼の集団に紛れて外に出ました。

えーと、私たち、外国人なのだが。

お巡りさん、写真じゃなくて立ち入りを注意しなくていいのだろうか。どの入り口も厳しいチェックがあって外国人はもれなく弾かれているのに、なぜあの入り口は無人だったのか。

正月早々、肝が冷えました。しかし、あれはインドの神様からのギフトだったなあと思っています。