愛しのインドビザ

(注:ビザ取得に役に立つ情報はこれっぽっちも書いてありませんのであしからず)

インドに行くには関門があります。

治安は大丈夫か、お腹は壊さないか、そんな心配という関門以前に、ビザという関門が。

ほとんどの日本国籍者は、出せばとれるものなので恐れるものでは全然ないのに、無事申請できるまでに細かいお約束がたくさんあり、申請時間や受領時間も指定があって、やっぱりなんだか敷居が高いインドビザです。私も多忙なサラリーマン時代は代理店さんにお願いしていました。

バンコクやロンドンでインドビザを申請したこともあります。国外にいる日本人の他国のビザで、しかもやたらパスポートにあちこちの出入国のスタンプがあり、インドへの渡航回数も多い人物ですから、ま、時間がかかるのは分かります。これまた不可解だらけの行程。でも最後はちゃんと取得できるという不思議(笑)。




日本でのインドビザの発給業務は、ここ数年は三田、その前は茗荷谷のビザセンターでしたが、もともとは九段下のインド大使館で行なっていました。学生のころも何度も通いましたし、旅行会社の新入社員だったころは、週に何度かは神保町の会社から何十人分ものパスポートを持ってえっちらおっちら坂を登って通いました。

大使館のころはまだ手書きのフォームをその場で記入することができました。写真とパスポートだけ持って行き、ガタガタのベンチに座りながら待ち時間に記入すれば、万が一間違いがあっても窓口で係の方に訂正箇所を教えてもらうことができ(ただしものすごくおっかない)、その日に無事提出できていました。

2017年3月21日から、ビザ発給業務はまたインド大使館になりました。昔の面影もない、きれいなフロア!

オンラインで記入したものを印刷して持参するという現在のシステム、私はすごくいいと思うのですが、英語のみだったり、必須項目が任意のように見えていたり、ま、いろいろ困ることもあることはあります。

娘とふたりで行くインド旅行の娘のビザ申請に、両親の同意書と父親のパスポートも必要と言われ、後日、出直したこともあります。よく読めば書いてあったから、よく読まない私が悪いのです、はい、そうです(でもガックリきたよ……)。

1996年からのパスポート5冊。順調に歳をとってきた軌跡(笑)

なんにしろ、これでも日本人は比較的簡便な方法になっているので、インド政府に感謝しないといけません。ビザなし渡航が可能な国がとても多い日本パスポートに慣れていると本当に面倒だし、私も何度も申請しているくせにたいがいどこか間違っていて差し戻しにされるので(おい)、ちぇっと舌打ちしたくなることもありますが。

でもテロの不安がある限り、ビザという関門は最低限必要だと思うなあ。もちろんそれだけで防げるものではまったくないし、そんなもの巧妙にすり抜けてくるに決まっているけれど、やはり、ないよりはあったほうが私は安心できます。

英語だって、どこの国に行ってもいざ暮らすとなったらペーパーワークは避けられないのだから、これからの時代を生きる人々は、これくらいは辞書引き引きでも分かったほうがいいような気がしますよ。

と、かようにインドへの道は遠く、インドに着いてからも、はたまた日本にいても、いろいろなインド的な試練があったりもします。ほんと、人間鍛えられます、毎度。

でも、それを軽く凌駕してあまり余るほどのサイコー! という瞬間もあるのがインド。ほかのことはどうでもいいんですよ、ぜんぶ、その瞬間を味わうための前菜だから。一度でもそのサイコー! を味わってしまったら、もうね、やめられません。

さて、今年で初インド渡航から20年になります。いい機会なので、20年分5冊のパスポートをチェックしてみました。

昨日、受領したビザを含めて、これまで取得したインドビザは、19枚!

思ったより少なかった(笑)。有効期間中は複数入国可能なので1枚で何回か出入国している期間もあります。いつか、何度行って通算何日滞在したかカウントしてみたい!

また、近々渡航します。愛しのビザよ、また行かせてくれて、ありがとう。