やがて実がなる大きな樹

みなさん、お元気ですか? 東京は春なのに初夏の陽気が続いています。朝晩涼しくて、湿気がなくて、日中はカラッと日差しが強烈で。一年中こうだったらいいのに。

さて。毎日、楽しい話しかなくて、やっぱりあれです、好きなことをやるというのは一番の正解なんだなと実感しています。

もちろん人生の最初からそれができたらいいのだろうけど、あっちでウロウロこっちでウロウロしたり、肩書きのある社会的なポジション取りというのも一応はやっておいてよかったのかなとは思います。長年、本意とはいい切れない修行に精を出したあとのやりたい放題はありがたみも深いのです。サウナで限界まで我慢したあとの冷えた炭酸水的な。笑

自分がインドで当たり前にやっていることが、ひとさまには当たり前じゃなかったり、とてもハードルが高いということ。薄々気づいてはいたけれど、そこがオンリーワンの価値につながるのか? そもそも需要があるのか? というところになかなか確証が持てませんでした。

でも、やめない、やり続ける、ということはとても大事で、腐らず諦めず、積み重ねてきたものが、誰かの役に立ってマネタイズに繋がるということが、やっとやっと、現実味を帯びてきた感じ。

前職を退職してもうすぐ2年経ちます。休息に1年必要で、助走にさらに半年を要しました。家計的にはほんとうにギリギリすぎてよく平気でいられるな自分、と感心しますが、今年はギャランティにはあまりこだわらず、歩いたり走ったりしながら自分のブランディングに集中する年にしたいなと思っています。

前職の高いお給料は確かに魅力だったけど、すり減らし削り取られたものはもう戻らない。いまはもう、時間とエネルギーを使ってちっとも惜しくないということしかしたくない。

何度か書いていますが、私はエッセイストの桐島洋子さんが好き。

学生のころはまったくピンとこなかったけれど、30代に入ったころから、彼女の著作を持って夜な夜な読みふけりながら旅をしていた時期がありました。かなり背伸びして同じホテルに泊まってみたり。

最近は、長女の桐島かれんさんに憧れています。フィロソフィーのある美を知り尽くした女性という感じがたまりません。

買い付けでインドへ行かれることも多いというかれんさんが紹介するモノや服にはすべてにストーリーが感じられてうっとりします(かれんさんのブランド House of Lotus のサイトはこちら)。

かれんさんが歩くインドの街角は、かれんさんがいるだけで「絵になる」光景になってしまう。よく知っている場所だったりすると、私も確かに同じ場所で同じ空気を吸っていたはずなのに、まるで違って見えて驚きます。

造形の違いというのは残酷です。笑

どうがんばってもかれんさんにはなれないけれど、真似をしてもしかたないし、私には私のよさがきっとあるはず。親しみやすさとか。ははは。

でも、こうやって憧れる存在がいるのは幸せなこと。

マニュアルがあるでもなし、手取り足取り教えてくれる人がいるでもなし、自分で道を切り拓いていくときに、あの人だったらどうするだろう、と想像できる誰かがいれば、そこから自分のすべきことを導き出すことができますもんね。

もしかしたら将来、現代の桐島洋子さん的な旅エッセイをお洒落雑誌で連載しているかもしれないし(!)、桐島かれんさんのように、自分の持てる美意識すべてを注ぎ込んだブランドを持っているかもしれないし(!)。

願いは大きく出ましたぞっと。